本プロジュクトは,東京都が推進する「アジア大都市ネットワーク21(ANMC21)」の共同事業「アジアでの中小型ジェット旅客機の開発・製造の促進」と連携して行われ,航空宇宙工学の先進分野の研究教育を通して,アジアでの航空分野の研究者・高度技術者を育成することを目的とする.アジア各国からの博士後期課程(航空宇宙システム工学域)留学生とともに,先進複合材構造の開発・利用による航空機主翼構造の高性能・高機能化,複合材構造の構造健全性診断技術,環境にやさしい次世代機に必須の摩擦抵抗低減化や低騒音化技術などの研究を実施する.(プロジェクトホームページへ)
チャネル風洞実験により,リブレットの抵抗低減効果に関する高精度実験データおよびピトーレイク法による乱流速度分布計測の精度評価データを取得する.また,新規リブレットの抵抗低減メカニズムを考察する.
高レイノルズ数の壁乱流においては,乱流変動(渦)は境界層厚さ程度のスケールの大規模渦から粘性特性スケールまでスペクトルが広範囲の波数域に広がるため,現在の計算機能力での直接数値計算のみならず,実験においても既存の流速計センサの分解能に限界があり,最少スケール微細渦(粘性特性スケールの10倍程度)までの乱流変動を捉えることは容易でない.本研究では,高レイノルズ乱流に対して,微細渦スケールまでの乱流変動を捉えることが出来るサブミクロン熱線センサを開発し,高レイノルズ数域の壁乱流構造に関する信頼できる実験データを得るに十分な,高周波数応答・高空間分解能の乱流速度変動計測技術の実証を行なう.